☆……本当に、更新遅くなりすみません。そして今回、ちょっと…いや、かなり赤×黄です。苦手な方はお帰り下さい☆
「わからないか?お前に触れる奴は…斬る。それだけだ」
そう言いながら、丈瑠はことはの頬を指で撫で下ろした。
「お前に触れていいのは俺だけだ。他の誰も許さない……」
そして丈瑠は、親指でことはの唇の縁をゆっくりとなぞると、そこに引き寄せられるかの様に、自身の顔を近づけていった。
「……この娘が大切か?」
ことはの口から紡ぎ出された言葉に、丈瑠は動きを止めた。
「…………さっきから、そう言っているだろう」
彼の瞳が、ことはの瞳の奥に宿る怪しげな光を捕らえると、そう、はっきりと告げた。
「いいだろう。ならば教えてやろう、この娘がわちきから解放される術を」
ふふ…と声を溢し見せた笑みは、もはやことはのものではなかった。
……薄皮…太夫。
丈瑠は口には出さなかったものの、心の中でその名を呼び、奥歯をぎりり…と噛み締めた。
「お前の大切だと思う気持ちがこの娘と同じだと言うなら…口を吸うてやればいい。想いが本物であれば、わちきの想い、否…念とでも言うべきか、それが浄化され、元にもどるだろう」
……何故、あの帰り道、ことはを気遣ってやれなかったのだろう。
気遣ってやれたなら、隣にいてやれたなら、薄皮太夫に…ことはの心を、体を自由になんかさせなかった。
…………絶対に……。
「ことは、心配するな。俺が助ける」
「但し……」
―――!?
「その言葉が偽りならば、お前のその命、わちきが貰い受ける。嘘を吐いてまで助けようとしない方が身のためだ」
……嘘…………。
その言葉が丈瑠の心を揺さぶる。
……偽りの当主。
決して伝えてはいけない真実。
突き通さなくてはいけない嘘……。
だが…………。
「これだけは真実だ。ことは…俺はお前を大切に思っている。茉子ではない、お前をだ。……お前だけだ、ことは」
一瞬、瞳をきつく瞑り、再び開けると、丈瑠は何かを決意したのか、はっきりとした視線をことはに向け、毅然とそう告げると、彼の唇は彼女の唇へと吸い寄せられていった。
☆本当に、長い間お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。本当に色々と忙しく、ようやく更新できた次第です。パソコンなんて1ヶ月以上開けていない状態です……。でもでも、次回も一生懸命書き上げたいと思います☆
☆文の母様…ご心配かけてしまってすみません。ようやく咳も落ち着きました☆

お久しぶりでございます。
なかなか更新できず、すみません。
9月中頃に、相方が仕事を辞め、末に新しい職場へと変わると、私の生活もガラリと代わりました。
それについていけなかったのは、私の身体でして……風邪を引いた後、なかなか体調が戻らずにおります。
来月に入れば落ち着くと思います。
体調が戻り次第、更新していきたいと思いますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。

☆ガッツリ赤×黄です。ご注意下さい☆
「だったら何故、あんな笑顔を向けた?…それが……それがどんなに虚しく、苦しかったか、お前にわかるか?」
「殿さ……」
「あいつの…千明の隣で、あんな笑顔を見せられたら、俺は……」
顔を歪めながら、そう言葉を吐き出すと、丈瑠は、ことはの細く白い手首を掴み彼女の頭の上へと持っていくと、更に力を込めた。
ぎりり…と骨が軋む。
「い…っぅ…」
その痛さにことは、小さく悲鳴をあげ、顔をしかめた。
「痛いか?」
その言葉に、相手を労る優しさはなかった。
丈瑠の先程の辛そうに吐き出された言葉とは違い、機械的に紡ぎ出された言葉を耳にしたことはは、ごくり…と生唾を飲んだ。
「か…堪忍、して…下さい」
初めて見る、色を成さない丈瑠の瞳に、ことはは震えながら必死に口を動かした。
「……離さない」
「せ…やったら、早よ…成敗…して……」
「成敗?…するわけがないだろう」
くくっ…と丈瑠は喉を鳴らしたが、その目は決して笑ってはいなかった。
「お前はわかっていない。もしあの時、さらわれそうになったのが茉子ではなくお前であったなら、外道衆だろうと…他の誰であろうと、構わず斬っていただろう」
「それ…は、どういう意味…ですか?」
「……わからないか?」
一呼吸置いた後に、艶めいた声がことはの耳に届くと、今まで色を成していなかった丈瑠の瞳が、怪しく揺らめいた。
その揺らめきを捉えたことはの胸は、ドクン…と大きく波打ったのだった。
☆あと2、3回で終われる予定でおります。いつも遅い更新で申し訳ありません。相方のいきなりの転職で…ちょっとまだバタバタしそうですが、頑張りたいと思います☆
☆文の母様…まさしく形勢逆転してしまったわけですが、少しでもドキドキして頂けてたら嬉しいです☆
☆柴犬様…やはり3人(千明も入れて4人かな)の想いは絡み合っちゃうのですかね。あっ、でもウチは青×桃なので、ちょっと違うかな(←大丈夫ですか?)☆
☆momoko様…ちょっと『悪』な殿様を描いてみましたが、伝わったでしょうか?嫉妬に燃え、苦しみ、我を忘れる殿様に萌えてしまう、鬼畜な南です☆

☆お盆中、皆様、いかがお過ごしでしょうか?南は、只今、東北地方に帰省しております。本日は雨でして、長袖着用です。さて、またまた1ヶ月ぶりとなりまして……スミマセン。今回はしっかり赤×黄となっております。受け付けられない方は、お読みにならぬよう、宜しくお願い致します☆
「……殿…さま……」
ことはの口から、いつものように自身を呼ぶ名が発せられると、丈瑠の瞳が一瞬揺らいだ。
だが、それもまた、何かの策かもしれないと思い直し、丈瑠はシンケンマルを持つ手に力を入れた。
「……成敗…して下さい」
シンケンマルを突き付けられた彼女は、そう言うと瞳を閉じた。
「こと……」
「うち…自分で、自分がどうなってるのか……よう、わからへん。……でも、殿さまの首を…うちが…うちが絞めて……そんなん、絶対にしたくないのに、止められへんくて……。でも……苦しくて、辛くて…………憎いん…です」
彼女の名を呼ぼうとした丈瑠の言葉を遮り、ことはは、閉じた瞳から涙を溢しながら、言葉を紡いだ。
「……憎…い?」
丈瑠には、ことはのその感情がわからなかった。
「……何で茉子ちゃんなんやろうって。何でうちやないんやろうって……。でも、そんなん…当たり前で……。美人で…優しくて……望まれてシンケンピンクになった茉子ちゃんと、代わりでなったうちは、最初から違うた……。うちが…茉子ちゃんに勝てるわけ……ないん……」
「な…にを、言っている」
見下ろす先で、小さく肩を揺らし、涙を溢しながら、必死に言葉を紡ぐことはに、丈瑠は動揺を隠せなかった。
「……茉子ちゃんが、妬ましかった。いつも殿さまの隣におって…、優しく手を差し伸べる茉子ちゃんが……ほんま、妬ましかった。そして、そんな茉子ちゃんを見つめる殿さまが……憎くて、憎くて……。うち……二度と見たくないって、ドレスを着た茉子ちゃんと、その隣に並ぶ殿さまの姿…なんて……絶対に……」
ことはの言葉の意味を丈瑠が理解するのに、時間がかかった。
いつもの冷静な丈瑠であれば、感情的になることはの言葉を遮ることなど簡単であるにもかかわらず、一言も発することが出来なかったのである。
……隣に並ぶ姿って、それって…あの時、だよな。
丈瑠の脳裏に思い浮かんだのは、自分と茉子を満面の笑みで見つめることはの姿だった。
「……お前の方こそ…………」
丈瑠は眉間に深い皺を寄せ、喉の奥から絞り出すように、そう口にした。
……お前こそ、俺には向けない笑顔を…見せてるじゃないか。
それが、どれだけ悔しいか……、妬ましいか……お前にはわかっていないんだろうな。
血が滲むほど下唇を噛むと、丈瑠は手にしていたシンケンマルをしまった。
☆えっと……甘いところは、全くなく、マイナス思考な二人。……ちゃんと浮上出来るのでしょうか?☆
☆文の母様…今回、ことはちゃんの、どろどろな感情を描いてしまいました。純真無垢なイメージの彼女でも、やっぱり殿さまと茉子ちゃんには嫉妬したんじゃないかな~なんて思ったので☆
☆momoko様…殿さまが黒子ちゃんを下がらせた理由、実はことはちゃんを他のみんなに見せたくない(操られてることをわからせたくない)他に、自身のことはへの想いもみんなに見せなくないというところでしょうか。次回、殿の想いが爆発…する予定です☆

☆皆様、台風は大丈夫でしょうか?南の住んでいる関東では、降ったり止んだりしています。
先日、カラオケに行きました。私がシンケンが好きなのを知っているママさんが、一緒に歌いたい…とオープニングを入れて下さいました。その時の映像が最終回、ドウコクを倒す所でした。歌うより見いってしまった南です☆
白く小さく、そして柔らかな指が丈瑠の首にゆっくりと食い込んでいく。
「くっ……」
じわりじわりと苦しさが増し、丈瑠の顔が歪む。
……こと…は……。
丈瑠は動けず、目の前が白く霞む中、心の中でことはの名を呼んだ。
ぎりり…と、奥歯を噛みしめ、何も出来ずにいる己を悔やみながら、意識を飛ばそうとした、その刹那、頭上で、ガシャガシャンと鳴った大きな音が丈瑠の意識を再び戻させた。
その音に反応したのは丈瑠だけではなかった。
ことはの意識が、その音に向かうと、力を込めていた手が和らぎ、今まで金縛りにあったかの如く動かすことの出来なかった丈瑠の身体が、軽くなった。
丈瑠はそれを見逃さなかった。
一瞬の後、首にかけられた手を掴むと、馬乗りとなっていたことはの身体を反転させ、丈瑠は彼女を組み敷いた。
「形勢…逆転……だな」
苦し気にそう呟き、咳き込みながらも、丈瑠は、ことはの動きを完全に抑え込み、自身を助けた音の方へ視線を向けた。
そこには、普段はほとんど表に顔を晒すことのない相手が、まるでその顔を主張するかのように、黒い面を捲り上げ立っていた。
「只今、日下部様を……」
その者は、丈瑠の視線を受け、片膝を着き、言葉を発すると、急ぎその場を去ろうとした。
だが、それを丈瑠の一言が制した。
「誰も呼ぶな!!」
「―!?…し、しかし……」
普段の彼ならば、殿様の言葉に素直に従っていただろう。
そもそも、彼が殿様の前で顔を見せることなど、ましてや声を出すことすら、有り得ないことなのだ。
「頼む……誰も呼ばないでくれ」
その声は、いつもの威厳に満ちたものとは違い、弱々しく今にも消え入りそうだった。
「……畏まりました」
意を決したように、そう返事をすると、捲り上げていた黒い面を元に戻し、一礼するとその場を後にした。
「これで、誰も邪魔をする者はいない……そして、誰も来ない。さぁ、どうする?」
丈瑠は黒子の姿が見えなくなるのを見届けると、手にシンケンマルを握り、ことはの首へと突きつけた。
「ことはを返せ」
静かながらも、怒りに満ちた声がことはの耳に届くと、ぶるり…と彼女の身体が震えた。
☆いつも、本当に更新が遅く申し訳なく思っております。しかも最初考えていたより長くなってしまって……。でも、ようやく、佳境に差し掛かり、終わりも見えてきました。最後までお楽しみ頂けるよう頑張りたいと思います☆
☆文の母様…コメントありがとうございます。今回、殿さまとことはちゃんをガッツリの予定だったのですが、殿さまと黒子ちゃんになってしまいました。次回こそは、殿×こと…でいきたいと思います☆
☆momoko様…コメントありがとうございます。殿さまとことはちゃんをガッツリと思っていたのですが、屋敷で二人の騒ぎに気付かないわけがないと思い、黒子ちゃんを登場させました。次回は殿さまとことはちゃんの二人(+太夫さん)予定です。お楽しみにお待ち頂けると嬉しいです☆