追憶の桜 1
☆まず先に拍手の御礼を・・・。sin様、いつもお越し頂きありがとうございます。春休みというのは、なかなか忙しく、更新がままなりませんが、こうしてお越しいただき、応援のお言葉を頂けると、本当に励みになります☆
☆さて、前回のお話の続き・・・の話となります。間に短編を挟もうかとも思ったのですが、せっかくの桜の季節を逃したくないので、続けて長編を書かせて頂きたいと思います。赤×黄の話となります☆
こと…は……、君は見て……いるのか?
この…桜……を…
……美しい…………この…桜の舞いを……
「シンケンレッド……てめぇはこれで、終いだ」
「ドウ…コク……」
お前は…すぐに、封印されるのだ……殿によって。
その、勝ち誇った…お前の顔が悔しさに歪むのを……見ることが出来ないのが…残念だ。
もう…桜の舞いも……目に映らない…………。
ことは……君の姿だけが、瞼に映る。
それだけで……私は、この世に生を受けたことを…幸せに………思…え………
「……死ね」
――――ザシュッ…………
「――!?ぐ…つぅ……」
……何だ、今のは?
胸が、痛い……?
丈瑠は前髪を掻き上げて初めて、自分が酷い汗をかいているのに気が付いた。
「夢か。それにしても……」
……リアルだった。
傷があるわけでもないのに、胸が痛いなんて。
「幸せになることへの畏れ…なのか?情けないな……、こんなことで震えるなんて」
丈瑠は、大きく一つ息を吐くと、スッと立ちあがり、竹刀を手に庭へと足を向けたのだった。
「なぁ、丈ちゃん、なんか顔色悪くねぇか?」
源太は、規則的に箸を口に運ぶ幼馴染へと声を掛けた。
「そういえば、今朝は随分と早くから稽古をなさっておりましたが、もしや、それが原因なのでは?」
源太の言葉に、今度は彦馬が口を開いた。
「……何でもない」
「丈ちゃん、何でもないってことは…………ああ、そっか!!」
源太は口の端を上げ、腕を組むと、うんうんと頷いた。
「何だ、源太?」
丈瑠は箸を置くと、じろり…と源太を睨みながら、ひと際低い声を発した。
「ことはちゃんが、京都に帰っちゃったもんだから、淋しいんだろ?」
「そんなことあるわけないだろ」
ことはは、高校を卒業するとすぐに、婚礼前までに色々と片付けたり、覚えたい事があるとかで、志葉家へと身を寄せていた。
そして、婚礼まであと数日となったため、一度花織の家へと戻ったのであった。
「まぁまぁ、あとちょっとの辛抱だ。結婚したら、毎日一緒にいられるんだしよ」
「……だから、違うと言っているだろう」
「いいって、いいって」
ニカッ…と満面の笑みを見せた源太に、丈瑠はため息を吐き、軽く頭を振った。
☆さて、前回のお話の続き・・・の話となります。間に短編を挟もうかとも思ったのですが、せっかくの桜の季節を逃したくないので、続けて長編を書かせて頂きたいと思います。赤×黄の話となります☆
こと…は……、君は見て……いるのか?
この…桜……を…
……美しい…………この…桜の舞いを……
「シンケンレッド……てめぇはこれで、終いだ」
「ドウ…コク……」
お前は…すぐに、封印されるのだ……殿によって。
その、勝ち誇った…お前の顔が悔しさに歪むのを……見ることが出来ないのが…残念だ。
もう…桜の舞いも……目に映らない…………。
ことは……君の姿だけが、瞼に映る。
それだけで……私は、この世に生を受けたことを…幸せに………思…え………
「……死ね」
――――ザシュッ…………
「――!?ぐ…つぅ……」
……何だ、今のは?
胸が、痛い……?
丈瑠は前髪を掻き上げて初めて、自分が酷い汗をかいているのに気が付いた。
「夢か。それにしても……」
……リアルだった。
傷があるわけでもないのに、胸が痛いなんて。
「幸せになることへの畏れ…なのか?情けないな……、こんなことで震えるなんて」
丈瑠は、大きく一つ息を吐くと、スッと立ちあがり、竹刀を手に庭へと足を向けたのだった。
「なぁ、丈ちゃん、なんか顔色悪くねぇか?」
源太は、規則的に箸を口に運ぶ幼馴染へと声を掛けた。
「そういえば、今朝は随分と早くから稽古をなさっておりましたが、もしや、それが原因なのでは?」
源太の言葉に、今度は彦馬が口を開いた。
「……何でもない」
「丈ちゃん、何でもないってことは…………ああ、そっか!!」
源太は口の端を上げ、腕を組むと、うんうんと頷いた。
「何だ、源太?」
丈瑠は箸を置くと、じろり…と源太を睨みながら、ひと際低い声を発した。
「ことはちゃんが、京都に帰っちゃったもんだから、淋しいんだろ?」
「そんなことあるわけないだろ」
ことはは、高校を卒業するとすぐに、婚礼前までに色々と片付けたり、覚えたい事があるとかで、志葉家へと身を寄せていた。
そして、婚礼まであと数日となったため、一度花織の家へと戻ったのであった。
「まぁまぁ、あとちょっとの辛抱だ。結婚したら、毎日一緒にいられるんだしよ」
「……だから、違うと言っているだろう」
「いいって、いいって」
ニカッ…と満面の笑みを見せた源太に、丈瑠はため息を吐き、軽く頭を振った。
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