年越し…… 前編
☆今更ですが、年越しのお話を書かせて頂きます。テーマは仲間。ラブ要素はない……かな。スミマセン☆
「……そっか。それで爺ちゃんがいなかったって訳か~」
縁側にて月を眺めながら、源太は手にした盃を口に運んだ。
「ああ…。ドウコクとの戦いも終わり、ようやく……家族と暮らせるというのに、ここに残った…いや、残ってくれたんだ。正月くらいは家族と過ごして欲しくてな」
口元に笑みを浮かべ、丈瑠もまた盃の中身を一気に喉の奥へと流し込んだ。
彦馬は年越し、そして正月を志葉の屋敷で過ごすことは当たり前だと思っていただけに、丈瑠から「家族と共に過ごせ」と言われ、断固拒否をしていた。
それは黒子達も同じであった。
……が、お願いではなく、当主としての命令だ、と言われれば、了承せざるを得なく、渋々ながらも彦馬は昼に、黒子達は数人を残し、夕飯の片づけを終えてから、家族の元へと帰ったのであった。
「俺一人でいい…と言ったんだがな、さすがに黒子は交代で帰ると、きかなくてな……」
「しょうがねぇさ。だって、丈ちゃん一人残してお化けなんて出たら、誰が気絶した丈ちゃんを介抱するんだって話だろ?」
源太は、にっと口の端を上げると、意地悪っぽい目を丈瑠へと向けた。
「なっ!!……き、気絶なんかするかっ!!」
頬を膨らませ、ぷいっ…とそっぽを向く丈瑠の姿に、志葉の当主ではなく、小学校の頃の面影を源太は見た。
それが源太にはたまらなく嬉しかった。
「それより、お前はなんで日本にいるんだ?フランスで店…やってたんじゃなかったのか?」
「あ、ああ……まぁ、そうなんだけどよ、なんだ、その……なぁ」
源太は気まずそうに、頭をぽりぽりと掻き、口を噤んだ。
『……何かあったのか?』
源太のそんな姿に、丈瑠は怪訝な顔をし、そう問おうとした時だった。
「と~~~の~~~」
聞き覚えのある声が志葉の屋敷にこだました。
「馬鹿!!もうじき12時だってのに、お前、うるさ過ぎだろ!!」
そういうもう一つの声も、十分大きく、ここが普通のどこにでもあるような住宅街であったなら、迷惑この上なかっただろう。
……が、ここは志葉邸、大きな声を出したところで、迷惑になるような狭い敷地であるはずがなかった。
「お、来た来た!!」
源太は、気まずに雰囲気だったその場をさっと離れ、その声の元へと走って行った。
「あ、おい…源太!!」
丈瑠はそう口にしたものの、体は固まったまま動く事が出来なかった。
……今の声……あいつら、何で……?
嬉しい気持ちがあるものの、戸惑いもまた大きかった。
☆ちょっと長くなりそうだったので、前後編で書かせていただきますね☆
「……そっか。それで爺ちゃんがいなかったって訳か~」
縁側にて月を眺めながら、源太は手にした盃を口に運んだ。
「ああ…。ドウコクとの戦いも終わり、ようやく……家族と暮らせるというのに、ここに残った…いや、残ってくれたんだ。正月くらいは家族と過ごして欲しくてな」
口元に笑みを浮かべ、丈瑠もまた盃の中身を一気に喉の奥へと流し込んだ。
彦馬は年越し、そして正月を志葉の屋敷で過ごすことは当たり前だと思っていただけに、丈瑠から「家族と共に過ごせ」と言われ、断固拒否をしていた。
それは黒子達も同じであった。
……が、お願いではなく、当主としての命令だ、と言われれば、了承せざるを得なく、渋々ながらも彦馬は昼に、黒子達は数人を残し、夕飯の片づけを終えてから、家族の元へと帰ったのであった。
「俺一人でいい…と言ったんだがな、さすがに黒子は交代で帰ると、きかなくてな……」
「しょうがねぇさ。だって、丈ちゃん一人残してお化けなんて出たら、誰が気絶した丈ちゃんを介抱するんだって話だろ?」
源太は、にっと口の端を上げると、意地悪っぽい目を丈瑠へと向けた。
「なっ!!……き、気絶なんかするかっ!!」
頬を膨らませ、ぷいっ…とそっぽを向く丈瑠の姿に、志葉の当主ではなく、小学校の頃の面影を源太は見た。
それが源太にはたまらなく嬉しかった。
「それより、お前はなんで日本にいるんだ?フランスで店…やってたんじゃなかったのか?」
「あ、ああ……まぁ、そうなんだけどよ、なんだ、その……なぁ」
源太は気まずそうに、頭をぽりぽりと掻き、口を噤んだ。
『……何かあったのか?』
源太のそんな姿に、丈瑠は怪訝な顔をし、そう問おうとした時だった。
「と~~~の~~~」
聞き覚えのある声が志葉の屋敷にこだました。
「馬鹿!!もうじき12時だってのに、お前、うるさ過ぎだろ!!」
そういうもう一つの声も、十分大きく、ここが普通のどこにでもあるような住宅街であったなら、迷惑この上なかっただろう。
……が、ここは志葉邸、大きな声を出したところで、迷惑になるような狭い敷地であるはずがなかった。
「お、来た来た!!」
源太は、気まずに雰囲気だったその場をさっと離れ、その声の元へと走って行った。
「あ、おい…源太!!」
丈瑠はそう口にしたものの、体は固まったまま動く事が出来なかった。
……今の声……あいつら、何で……?
嬉しい気持ちがあるものの、戸惑いもまた大きかった。
☆ちょっと長くなりそうだったので、前後編で書かせていただきますね☆
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