八朔の雪 8
☆12月に入ってしまいました。師が走る月・・・寒くなりましたね。我が家はウイルス性腸炎やら風邪やら、ぎっくり腰やらで・・・毎日バタバタしております。とりあえず、私だけが元気です。さて、そんな中で、ようやく更新出来ました。なかなか話が進まない・・・。本当にすみません。今回も、ことはちゃんが、めっちゃネガティブ入ってます。いつ浮上できることやら・・・☆
「ことは、ここにいたんだ」
茉子は、庭に佇むことはへと声を掛けた。
「茉子ちゃん……」
「大丈夫?」
振り向いたことはへと向かい、茉子は心配そうな顔をして、そう聞いた。
「え?」
ことはは茉子が何を言わんとしているのかわからず、目をくりくりとさせた。
「ドウコクのことで、落ち込んでるのかと思ったんだけど……違うみたいね」
茉子は、良かった……と、呟くと、小さく息を吐き、微笑んだ。
「彦馬さんも心配してたよ。お姉さんからの手紙を受け取らなかったって」
「……そういうんと、ちゃうん…やけどな……」
そう言うと、ことはは視線を足元に落とし口を閉ざした。
「無理して聞き出すつもりはないから。……でも、何でも一人で抱え込むのは良くないな。ことはにしても……丈瑠にしてもね」
「殿さま……やっぱり何か抱え込んでるんやね」
ことはは、茉子の言った『丈瑠』の名に反応し、顔を上げた。
「そうね、何か…を抱え込んでるのは間違いないんだけどね」
茉子はきっぱりとそう告げると、続けて言葉を紡いだ。
「今までの丈瑠なら、手に取る様に考えてることがわかったんだけどな~」
茉子にしてみれば、何ということはない言葉だった。
最初の頃こそ、感情を持たない、家臣達に冷たい殿様かと思っていたのだが、その裏にある人一倍熱い思いを知った時、茉子だけではなく、他の者達も丈瑠の不器用な優しさに気付いたのだった。
実は、照れていて、それを見せたくなくて不機嫌な態度をとっていたり、極度の人見知りを知られたくなくて、殿様という立場をいいことに高圧的な態度をとっているのだということを。
そして、ことはに対しては明らかに態度が違った。
突き離してるようで、実は自身の傍から離れるのを嫌がる。
男連中と話している時なんかとにかくわかりやすかった。
そんな日は、一日中不機嫌で……。
それを千明が面白がり、さらにことはにちょっかいを出せば、嫉妬心バリバリで、わかっていない流ノ介は八つ当たりされた。
そして、そんな丈瑠の態度に、ことはは何も気付きもせずオロオロするばかり。
この時の茉子も、そういうつもりで言っただけだった。
『わかりやすいはずの丈瑠の心が読めない……』
そう思って自然に口から出た言葉であった。
だが、その言葉はことはの心に深く突き刺さったのである。
……手に取る様に?
それって、どういう事なん?
うちは…うちには、殿さまの考えてる事…今までも、よう、わからへんかったし。
でも、それは殿さまやから……。
すごいお人やから、うちがわからへんのは当たり前やと思ってたし。
……でも、違ったん?
茉子ちゃんには……茉子ちゃんだけは、特別…なん?
『特別』その言葉が浮かんだ瞬間、ことはは白無垢を着た茉子の横にどこか照れながら、それでいて優しく微笑む丈瑠の姿を、ことはは思い出したのだった。
☆次は、話が進む予定です。殿様とことはちゃんの二人が出演していただけると思います。・・・薄皮太夫も出演予定なのですが、彼女だけで終わってしまわないよう、心がけたいと思います☆
☆柴犬様・・・初めまして、コメントありがとうございます。確かに更新されている方(サイト)は減りましたね。そんな中、未だ熱冷めやらぬ南なのですが、もうじき2歳となるチビがいると、なかなか更新出来ずじまいです。それでも、こうしていらして頂けると、本当にうれしいです。よろしかったら柴犬様のサイト名を教えて頂けませんか?お伺いしたいのですが・・・☆
「ことは、ここにいたんだ」
茉子は、庭に佇むことはへと声を掛けた。
「茉子ちゃん……」
「大丈夫?」
振り向いたことはへと向かい、茉子は心配そうな顔をして、そう聞いた。
「え?」
ことはは茉子が何を言わんとしているのかわからず、目をくりくりとさせた。
「ドウコクのことで、落ち込んでるのかと思ったんだけど……違うみたいね」
茉子は、良かった……と、呟くと、小さく息を吐き、微笑んだ。
「彦馬さんも心配してたよ。お姉さんからの手紙を受け取らなかったって」
「……そういうんと、ちゃうん…やけどな……」
そう言うと、ことはは視線を足元に落とし口を閉ざした。
「無理して聞き出すつもりはないから。……でも、何でも一人で抱え込むのは良くないな。ことはにしても……丈瑠にしてもね」
「殿さま……やっぱり何か抱え込んでるんやね」
ことはは、茉子の言った『丈瑠』の名に反応し、顔を上げた。
「そうね、何か…を抱え込んでるのは間違いないんだけどね」
茉子はきっぱりとそう告げると、続けて言葉を紡いだ。
「今までの丈瑠なら、手に取る様に考えてることがわかったんだけどな~」
茉子にしてみれば、何ということはない言葉だった。
最初の頃こそ、感情を持たない、家臣達に冷たい殿様かと思っていたのだが、その裏にある人一倍熱い思いを知った時、茉子だけではなく、他の者達も丈瑠の不器用な優しさに気付いたのだった。
実は、照れていて、それを見せたくなくて不機嫌な態度をとっていたり、極度の人見知りを知られたくなくて、殿様という立場をいいことに高圧的な態度をとっているのだということを。
そして、ことはに対しては明らかに態度が違った。
突き離してるようで、実は自身の傍から離れるのを嫌がる。
男連中と話している時なんかとにかくわかりやすかった。
そんな日は、一日中不機嫌で……。
それを千明が面白がり、さらにことはにちょっかいを出せば、嫉妬心バリバリで、わかっていない流ノ介は八つ当たりされた。
そして、そんな丈瑠の態度に、ことはは何も気付きもせずオロオロするばかり。
この時の茉子も、そういうつもりで言っただけだった。
『わかりやすいはずの丈瑠の心が読めない……』
そう思って自然に口から出た言葉であった。
だが、その言葉はことはの心に深く突き刺さったのである。
……手に取る様に?
それって、どういう事なん?
うちは…うちには、殿さまの考えてる事…今までも、よう、わからへんかったし。
でも、それは殿さまやから……。
すごいお人やから、うちがわからへんのは当たり前やと思ってたし。
……でも、違ったん?
茉子ちゃんには……茉子ちゃんだけは、特別…なん?
『特別』その言葉が浮かんだ瞬間、ことはは白無垢を着た茉子の横にどこか照れながら、それでいて優しく微笑む丈瑠の姿を、ことはは思い出したのだった。
☆次は、話が進む予定です。殿様とことはちゃんの二人が出演していただけると思います。・・・薄皮太夫も出演予定なのですが、彼女だけで終わってしまわないよう、心がけたいと思います☆
☆柴犬様・・・初めまして、コメントありがとうございます。確かに更新されている方(サイト)は減りましたね。そんな中、未だ熱冷めやらぬ南なのですが、もうじき2歳となるチビがいると、なかなか更新出来ずじまいです。それでも、こうしていらして頂けると、本当にうれしいです。よろしかったら柴犬様のサイト名を教えて頂けませんか?お伺いしたいのですが・・・☆
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