追憶の桜 18
☆今回は男性メンツのみの出演です。そして・・・前に書かせて頂いた長編の内容が随所に出てきます。もし、そちらを読まれていらっしゃらなかったら、先にそちらを読まれるとよろしいかと。これから先も色々な形で出てくる予定です。なかなか、先に進まずに申し訳ないとは思いますが、今回の長編もまた、自分的にはかなり思い入れがありますので、丁寧に描いていきたいと思っております。よろしくお願いいたします☆
「本番も近いってのに…悪い。でも俺達だけじゃ……」
「何を言っている!!殿の身に何かが起こったのならば、稽古どころではないだろう!!」
千明の言葉に、すかさず怒鳴ったのは流ノ介だった。
茉子同様、彦馬からの招集を受け、春歌舞伎本番直前であったにもかかわらず、流ノ介は志葉邸へと急ぎ駆けつけたのであった。
「儂にも何が起こっておるのかさっぱりなのだが……しかし、千明、源太、ことはの話を聞く限り、儂らだけではどうすることも出来んと思ってな、忙しいとはわかってはおったのだが、お前と…それに茉子も呼ばせてもらった」
「殿に何かが起こったのならば、何をおいてでも駆けつけるのは当然のことです。……で、どういう事なんだ、千明、源太?」
流ノ介は彦馬に軽く頭を下げると、すぐさま千明と源太に向き直った。
「いや…さ、それが良くわかんないんだ。ただ…丈瑠が丈瑠じゃなくなったっていうか……」
「外道衆の仕業ではないのか?」
「隙間センサーは鳴ったんだけどさ、そこには丈瑠しかいなかったんだ。ただ…………」
千明は流ノ介からの視線から目を反らし源太へと助けを求めた。
「あれは……裏正だった」
源太は千明からの助けを受け止める形で、そう口を開いた。
「なっ!?まさか…そんな……」
源太の言葉に流ノ介の目が大きく見開かれると、途端に表情を険しくし、言葉を失った。
「殿は…裏正……いや、十臓に乗っ取られた…って言うのか?」
「いや、それはないだろう。あの時、十臓は死んだはず。魂ごと…消えたんだ。お前だって見てただろ?」
震えた声を出した流ノ介に、源太がきっぱりと否定した。
「確かに、十臓は消えた。がしかし、現に殿が殿ではなくなって、裏正を手にしていたと言うのならば、十臓に乗っ取られた可能性がないとは言えないだろ!?」
「そうなんだけど……でも、あれは十臓じゃない。あれは…あの時の丈瑠と……同じだった」
千明も源太同様、流ノ介の言葉を否定した。
「あの時?」
「……記憶をなくして、十臓と刀を交えていた……あの時の丈瑠だった」
そう言った千明の声もまた、微かに震えていたのだった。
☆sin様、いつも温かいお言葉をありがとうございます。頭の中には、すでにストーリーは進んでいるのですが、なかなか昼間にパソコンに向かえずにモヤモヤしております。ゆっくり更新ではありますが、最後まできっちり書きあげますので、見捨てないで頂けるとありがたいです☆
「本番も近いってのに…悪い。でも俺達だけじゃ……」
「何を言っている!!殿の身に何かが起こったのならば、稽古どころではないだろう!!」
千明の言葉に、すかさず怒鳴ったのは流ノ介だった。
茉子同様、彦馬からの招集を受け、春歌舞伎本番直前であったにもかかわらず、流ノ介は志葉邸へと急ぎ駆けつけたのであった。
「儂にも何が起こっておるのかさっぱりなのだが……しかし、千明、源太、ことはの話を聞く限り、儂らだけではどうすることも出来んと思ってな、忙しいとはわかってはおったのだが、お前と…それに茉子も呼ばせてもらった」
「殿に何かが起こったのならば、何をおいてでも駆けつけるのは当然のことです。……で、どういう事なんだ、千明、源太?」
流ノ介は彦馬に軽く頭を下げると、すぐさま千明と源太に向き直った。
「いや…さ、それが良くわかんないんだ。ただ…丈瑠が丈瑠じゃなくなったっていうか……」
「外道衆の仕業ではないのか?」
「隙間センサーは鳴ったんだけどさ、そこには丈瑠しかいなかったんだ。ただ…………」
千明は流ノ介からの視線から目を反らし源太へと助けを求めた。
「あれは……裏正だった」
源太は千明からの助けを受け止める形で、そう口を開いた。
「なっ!?まさか…そんな……」
源太の言葉に流ノ介の目が大きく見開かれると、途端に表情を険しくし、言葉を失った。
「殿は…裏正……いや、十臓に乗っ取られた…って言うのか?」
「いや、それはないだろう。あの時、十臓は死んだはず。魂ごと…消えたんだ。お前だって見てただろ?」
震えた声を出した流ノ介に、源太がきっぱりと否定した。
「確かに、十臓は消えた。がしかし、現に殿が殿ではなくなって、裏正を手にしていたと言うのならば、十臓に乗っ取られた可能性がないとは言えないだろ!?」
「そうなんだけど……でも、あれは十臓じゃない。あれは…あの時の丈瑠と……同じだった」
千明も源太同様、流ノ介の言葉を否定した。
「あの時?」
「……記憶をなくして、十臓と刀を交えていた……あの時の丈瑠だった」
そう言った千明の声もまた、微かに震えていたのだった。
☆sin様、いつも温かいお言葉をありがとうございます。頭の中には、すでにストーリーは進んでいるのですが、なかなか昼間にパソコンに向かえずにモヤモヤしております。ゆっくり更新ではありますが、最後まできっちり書きあげますので、見捨てないで頂けるとありがたいです☆
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