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追憶の桜 12

☆少し更新が遅くなりました。お話をお忘れではないでしょうか?そんな方は、今一度、前作をお読みいただき、続きをお読みいただければと思います☆
















「影武者が当主となったからなのか……。侍に名を呼び捨てにされるとは、『丈瑠』は随分と見下されているのだな……」




くくっ…と笑った彼の目は、笑ってはいなかった。




「何言ってんだよ……お前が『殿様』だったから俺は……」


「千明、だから…あれは丈ちゃんじゃねぇんだって!!」




千明は、ふらり…と立ちあがると、自分の丈瑠に対する思いを告げようと、彼のもとへと足を踏み出そうとした。
……が、その足を源太に肩を掴まれたことにより、止められた。




「そうだとしても、俺は丈瑠の口から、影武者って言葉も、ましてや見下している…なんて……言われたくねーんだよ!!」




源太を睨む千明の目にうっすらと涙が浮かんでいた。
そんな千明に、掴んでいた源太の腕の力が緩んだ。
それに気付いた千明は、とっさに源太の手を振り払い、丈瑠のもとへと走り、正面に立ちはだかった。




「何回だって言ってやる。俺はお前が……丈瑠が『殿様』だったから命を預けようって思ったんだ。本物の当主じゃないと知った後も、それは変わらなかったし、これからも変わらない。なにがあっても、俺はお前にいつだって命を預けるし、俺も預かる。だから……」


「本物の当主……。志葉の血…か。……そうだな、私の問いに答えたならば、お前の命は奪わないでやろう。その本物の当主、否、前当主という者の居場所を言え」




――――!!




丈瑠の問いに対し、千明は目を見開いた。
自分の命は奪わない……その代わりに姫の居場所を言え、ということは、姫に対して良からぬことを考えているという事くらい聞かなくてもわかる事だった。




「……あんた、それ聞いて…どうすんだよ?」




何も答えられないでいる千明に変わって、口を開いたのは源太だった。




「志葉の血筋を正すのだ。本来あるべき姿へと……」


「な…んだよ……それ?本来あるべき姿って何だよ!?」




語気を荒げたのは千明だった。




「……では逆に聞こう。何故、丈瑠が『火』を扱えるのか考えたことはあるか?」




その声は、先程までの殺気を帯びていたものとは違い、最初に聞いた穏やかなものへと戻っていた。














☆・・・ようやく核心に迫ってきた感じですかね。私なりの解釈なので、そこのところは御理解いただきたいと思います。さて、先週は、娘が熱を出し、初めて学校を休みました。知恵熱だったのか、天候が悪くての風邪だったのか・・・。今週は元気に学校に行ってくれると思います☆


☆sin様、学校は幼稚園程行事がないものと思っていたら、甘かった。今週は参観日にゴミゼロ運動・・・。楽しいものばかりではありませんが、娘のためにがんばろうと思います。さて、次回にはことはちゃんがやっと登場する予定です。丈瑠はいったい何を語るのでしょう?楽しみにしていただけると嬉しいです☆










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まとめtyaiました【追憶の桜 12】

☆少し更新が遅くなりました。お話をお忘れではないでしょうか?そんな方は、今一度、前作をお読みいただき、続きをお読みいただければと思います☆「影武者が当主となったからなのか……。侍に名を呼び捨てにされるとは、『丈瑠』は随分と見下されているのだな……」くく...
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南 ユキ

Author:南 ユキ
シンケン妄想小説置き場です


朴路美さん見たさにシンケンを見て、殿にハマった……大人です。
そして、妄想が膨らみ、殿×ことはの小説なんぞを書かせて頂いてます。

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