八朔の雪 16
☆お盆中、皆様、いかがお過ごしでしょうか?南は、只今、東北地方に帰省しております。本日は雨でして、長袖着用です。さて、またまた1ヶ月ぶりとなりまして……スミマセン。今回はしっかり赤×黄となっております。受け付けられない方は、お読みにならぬよう、宜しくお願い致します☆
「……殿…さま……」
ことはの口から、いつものように自身を呼ぶ名が発せられると、丈瑠の瞳が一瞬揺らいだ。
だが、それもまた、何かの策かもしれないと思い直し、丈瑠はシンケンマルを持つ手に力を入れた。
「……成敗…して下さい」
シンケンマルを突き付けられた彼女は、そう言うと瞳を閉じた。
「こと……」
「うち…自分で、自分がどうなってるのか……よう、わからへん。……でも、殿さまの首を…うちが…うちが絞めて……そんなん、絶対にしたくないのに、止められへんくて……。でも……苦しくて、辛くて…………憎いん…です」
彼女の名を呼ぼうとした丈瑠の言葉を遮り、ことはは、閉じた瞳から涙を溢しながら、言葉を紡いだ。
「……憎…い?」
丈瑠には、ことはのその感情がわからなかった。
「……何で茉子ちゃんなんやろうって。何でうちやないんやろうって……。でも、そんなん…当たり前で……。美人で…優しくて……望まれてシンケンピンクになった茉子ちゃんと、代わりでなったうちは、最初から違うた……。うちが…茉子ちゃんに勝てるわけ……ないん……」
「な…にを、言っている」
見下ろす先で、小さく肩を揺らし、涙を溢しながら、必死に言葉を紡ぐことはに、丈瑠は動揺を隠せなかった。
「……茉子ちゃんが、妬ましかった。いつも殿さまの隣におって…、優しく手を差し伸べる茉子ちゃんが……ほんま、妬ましかった。そして、そんな茉子ちゃんを見つめる殿さまが……憎くて、憎くて……。うち……二度と見たくないって、ドレスを着た茉子ちゃんと、その隣に並ぶ殿さまの姿…なんて……絶対に……」
ことはの言葉の意味を丈瑠が理解するのに、時間がかかった。
いつもの冷静な丈瑠であれば、感情的になることはの言葉を遮ることなど簡単であるにもかかわらず、一言も発することが出来なかったのである。
……隣に並ぶ姿って、それって…あの時、だよな。
丈瑠の脳裏に思い浮かんだのは、自分と茉子を満面の笑みで見つめることはの姿だった。
「……お前の方こそ…………」
丈瑠は眉間に深い皺を寄せ、喉の奥から絞り出すように、そう口にした。
……お前こそ、俺には向けない笑顔を…見せてるじゃないか。
それが、どれだけ悔しいか……、妬ましいか……お前にはわかっていないんだろうな。
血が滲むほど下唇を噛むと、丈瑠は手にしていたシンケンマルをしまった。
☆えっと……甘いところは、全くなく、マイナス思考な二人。……ちゃんと浮上出来るのでしょうか?☆
☆文の母様…今回、ことはちゃんの、どろどろな感情を描いてしまいました。純真無垢なイメージの彼女でも、やっぱり殿さまと茉子ちゃんには嫉妬したんじゃないかな~なんて思ったので☆
☆momoko様…殿さまが黒子ちゃんを下がらせた理由、実はことはちゃんを他のみんなに見せたくない(操られてることをわからせたくない)他に、自身のことはへの想いもみんなに見せなくないというところでしょうか。次回、殿の想いが爆発…する予定です☆
「……殿…さま……」
ことはの口から、いつものように自身を呼ぶ名が発せられると、丈瑠の瞳が一瞬揺らいだ。
だが、それもまた、何かの策かもしれないと思い直し、丈瑠はシンケンマルを持つ手に力を入れた。
「……成敗…して下さい」
シンケンマルを突き付けられた彼女は、そう言うと瞳を閉じた。
「こと……」
「うち…自分で、自分がどうなってるのか……よう、わからへん。……でも、殿さまの首を…うちが…うちが絞めて……そんなん、絶対にしたくないのに、止められへんくて……。でも……苦しくて、辛くて…………憎いん…です」
彼女の名を呼ぼうとした丈瑠の言葉を遮り、ことはは、閉じた瞳から涙を溢しながら、言葉を紡いだ。
「……憎…い?」
丈瑠には、ことはのその感情がわからなかった。
「……何で茉子ちゃんなんやろうって。何でうちやないんやろうって……。でも、そんなん…当たり前で……。美人で…優しくて……望まれてシンケンピンクになった茉子ちゃんと、代わりでなったうちは、最初から違うた……。うちが…茉子ちゃんに勝てるわけ……ないん……」
「な…にを、言っている」
見下ろす先で、小さく肩を揺らし、涙を溢しながら、必死に言葉を紡ぐことはに、丈瑠は動揺を隠せなかった。
「……茉子ちゃんが、妬ましかった。いつも殿さまの隣におって…、優しく手を差し伸べる茉子ちゃんが……ほんま、妬ましかった。そして、そんな茉子ちゃんを見つめる殿さまが……憎くて、憎くて……。うち……二度と見たくないって、ドレスを着た茉子ちゃんと、その隣に並ぶ殿さまの姿…なんて……絶対に……」
ことはの言葉の意味を丈瑠が理解するのに、時間がかかった。
いつもの冷静な丈瑠であれば、感情的になることはの言葉を遮ることなど簡単であるにもかかわらず、一言も発することが出来なかったのである。
……隣に並ぶ姿って、それって…あの時、だよな。
丈瑠の脳裏に思い浮かんだのは、自分と茉子を満面の笑みで見つめることはの姿だった。
「……お前の方こそ…………」
丈瑠は眉間に深い皺を寄せ、喉の奥から絞り出すように、そう口にした。
……お前こそ、俺には向けない笑顔を…見せてるじゃないか。
それが、どれだけ悔しいか……、妬ましいか……お前にはわかっていないんだろうな。
血が滲むほど下唇を噛むと、丈瑠は手にしていたシンケンマルをしまった。
☆えっと……甘いところは、全くなく、マイナス思考な二人。……ちゃんと浮上出来るのでしょうか?☆
☆文の母様…今回、ことはちゃんの、どろどろな感情を描いてしまいました。純真無垢なイメージの彼女でも、やっぱり殿さまと茉子ちゃんには嫉妬したんじゃないかな~なんて思ったので☆
☆momoko様…殿さまが黒子ちゃんを下がらせた理由、実はことはちゃんを他のみんなに見せたくない(操られてることをわからせたくない)他に、自身のことはへの想いもみんなに見せなくないというところでしょうか。次回、殿の想いが爆発…する予定です☆
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