八朔の雪 12
☆新学期がようやく始まり、ちょっとは落ち着きました☆
「お前は誰だ……か」
くくっ…と小さく笑うと、女は満足そうに目を細めた。
「シンケンレッドの戸惑いが、あの小娘を通じ、伝わってくる。面白いほどに」
「どういうことだ?」
女の目の前に座る男は、怪訝な顔を彼女に向けた。
「あの小娘の心とわちきの心が繋がっているのだ」
男の眉間に更に深い皺が刻まれた。
「そう、怖い顔をするな。なに、わちきの心の一部をあの小娘の体内に埋めたのだ」
女は、ちろり…と一瞬横目で男を見やると、その目を閉じ意識を他に集中させたのだった。
「ことはを…どこにやった?」
丈瑠は自分を見下ろすことはに向かい、低い声を発した。
「冗談です。うちは…うちですよ」
「違う!!お前はことはではない!!」
強い口調でことはの言葉を否定した丈瑠は、彼女から離れようと身体を起こそうとした、その時だった。
「志葉…丈瑠」
先程、弧を描いていたことはの唇から、自身の名を呼ばれた丈瑠は金縛りに合ったかのように、身体の自由を奪われた。
「なっ…!?」
「まだ、行かんといて下さい。うちを……一人にせんといて。その瞳に、うちだけを映して下さい。」
そう言ったことはの瞳は、哀しい色を含んでいた。
そして、揺れる瞳を半分閉じ、ことはは一言、何かを呟くと、自身の顔を、丈瑠の顔へと近付けていったのだった。
☆前回の話から、違う話へと変わってしまった!?…なんて思われた方がいらしたら、すみません。上手く切り替えを描ける方が羨ましい。
さて、ことはちゃん、まずいことになってます。殿さまを、どうするつもりでしょう!?
次回もお楽しみにして頂けると嬉しいです☆
☆文の母様…コメントありがとうございます。
ことはちゃん、果たして、自分の中の太夫に勝てるのでしょうか!?
「お前は誰だ……か」
くくっ…と小さく笑うと、女は満足そうに目を細めた。
「シンケンレッドの戸惑いが、あの小娘を通じ、伝わってくる。面白いほどに」
「どういうことだ?」
女の目の前に座る男は、怪訝な顔を彼女に向けた。
「あの小娘の心とわちきの心が繋がっているのだ」
男の眉間に更に深い皺が刻まれた。
「そう、怖い顔をするな。なに、わちきの心の一部をあの小娘の体内に埋めたのだ」
女は、ちろり…と一瞬横目で男を見やると、その目を閉じ意識を他に集中させたのだった。
「ことはを…どこにやった?」
丈瑠は自分を見下ろすことはに向かい、低い声を発した。
「冗談です。うちは…うちですよ」
「違う!!お前はことはではない!!」
強い口調でことはの言葉を否定した丈瑠は、彼女から離れようと身体を起こそうとした、その時だった。
「志葉…丈瑠」
先程、弧を描いていたことはの唇から、自身の名を呼ばれた丈瑠は金縛りに合ったかのように、身体の自由を奪われた。
「なっ…!?」
「まだ、行かんといて下さい。うちを……一人にせんといて。その瞳に、うちだけを映して下さい。」
そう言ったことはの瞳は、哀しい色を含んでいた。
そして、揺れる瞳を半分閉じ、ことはは一言、何かを呟くと、自身の顔を、丈瑠の顔へと近付けていったのだった。
☆前回の話から、違う話へと変わってしまった!?…なんて思われた方がいらしたら、すみません。上手く切り替えを描ける方が羨ましい。
さて、ことはちゃん、まずいことになってます。殿さまを、どうするつもりでしょう!?
次回もお楽しみにして頂けると嬉しいです☆
☆文の母様…コメントありがとうございます。
ことはちゃん、果たして、自分の中の太夫に勝てるのでしょうか!?
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