八朔の雪 1
☆第三十九幕『救急 緊急 大至急』……とある島で、住民同士が喧嘩(?)し合っていたのを覚えていらっしゃるでしょうか?殿&茉子ちゃん、流さん&ことはちゃん、千明&源さんのペアで、原因を探っていた時の話の中で、流さん&ことはちゃんが薄皮太夫にやられて川岸に倒れていた時から、今回の小説が始まります。オリジナルに沿って描いていく予定ですが、矛盾する点なども出てくるかもしれません。それでもよろしければ、新しい連載をお読み頂きたいと思います☆
「主を守る侍……か。ふん、弱いな。」
女は、川岸に意識なく倒れている二人の侍を見下ろしながら、そう口にすると、手にした刀の先を倒れている一人の侍の首筋へと当てると、「死ね」と、冷たくいい放ち、手に力を入れようとした時だった。
「殿…さま…………」
首筋に刀を当てられた侍が、力なく、そう呟いた。
その声に、今にも刀を突き立てようとしていた女の手が止まった。
「……そうか、お前…シンケンレッドを…………」
女は不敵な笑みを浮かべると、刀をしまい、自身の胸元へと手を入れると、小さな石の様な物を取り出した。
丸い形をしたその石は闇の様に黒く、鈍い光を放っていた。
女はその石を、未だ意識なく倒れている侍の背に置くと、手をかざし、何か呪文の様なものを唱え始めた。
すると、背に置かれた石が、生き物の様に動き出したかと思えば、侍の身体の中へと吸い込まれていった。
「あああぁぁぁぁぁ……」
その刹那、侍は胸元の服をギュッ…と強く握りしめ、呻き声を辺りに響かせた。
「苦しいか?…そうだろう。それはわちきの嫉妬。執念。憎悪。お前の想いが大きければ大きい程、それがお前の体を浸食していくのだ。相手を殺したくなる程にな……」
「楽しみだ」…女は、苦しむ侍の耳元で、そう呟くと、その場から早速と立ち去った。
「こと…は?……うぅ…どうか…したのか?……ここは…どこだ?」
隣で聞こえた苦し気な声で、倒れていたもう一人の侍が、意識を取り戻すと、頭を振り、その声の方に向かい、ゆっくり目を開いた。
そこには、胸を抑え、苦しそうに息をする侍…花織ことはの姿があった。
「ことは!!どこか怪我でもしたのか!?」
ことはの姿を目にした、もう一人の侍…池波 流ノ介は、慌てて起き上がると、彼女の体を起こした。
「りゅ……う…さん?」
ことはは、うっすらと目を開くと、掠れた声で流ノ介の名を呼んだ。
☆さて、如何だったでしょうか?題名の『八朔の雪』という言葉をご存知ですか?この意味につきましては、後々、話の中で知ることになると思います。そして、今回はシリアスです。まだお互いに気持ちを伝えていない……と言うか、お互い気持ちに気付いているのかさえ怪しい?…という辺りを、太夫さんを取り込みながら描いていきたいと思っています☆
「主を守る侍……か。ふん、弱いな。」
女は、川岸に意識なく倒れている二人の侍を見下ろしながら、そう口にすると、手にした刀の先を倒れている一人の侍の首筋へと当てると、「死ね」と、冷たくいい放ち、手に力を入れようとした時だった。
「殿…さま…………」
首筋に刀を当てられた侍が、力なく、そう呟いた。
その声に、今にも刀を突き立てようとしていた女の手が止まった。
「……そうか、お前…シンケンレッドを…………」
女は不敵な笑みを浮かべると、刀をしまい、自身の胸元へと手を入れると、小さな石の様な物を取り出した。
丸い形をしたその石は闇の様に黒く、鈍い光を放っていた。
女はその石を、未だ意識なく倒れている侍の背に置くと、手をかざし、何か呪文の様なものを唱え始めた。
すると、背に置かれた石が、生き物の様に動き出したかと思えば、侍の身体の中へと吸い込まれていった。
「あああぁぁぁぁぁ……」
その刹那、侍は胸元の服をギュッ…と強く握りしめ、呻き声を辺りに響かせた。
「苦しいか?…そうだろう。それはわちきの嫉妬。執念。憎悪。お前の想いが大きければ大きい程、それがお前の体を浸食していくのだ。相手を殺したくなる程にな……」
「楽しみだ」…女は、苦しむ侍の耳元で、そう呟くと、その場から早速と立ち去った。
「こと…は?……うぅ…どうか…したのか?……ここは…どこだ?」
隣で聞こえた苦し気な声で、倒れていたもう一人の侍が、意識を取り戻すと、頭を振り、その声の方に向かい、ゆっくり目を開いた。
そこには、胸を抑え、苦しそうに息をする侍…花織ことはの姿があった。
「ことは!!どこか怪我でもしたのか!?」
ことはの姿を目にした、もう一人の侍…池波 流ノ介は、慌てて起き上がると、彼女の体を起こした。
「りゅ……う…さん?」
ことはは、うっすらと目を開くと、掠れた声で流ノ介の名を呼んだ。
☆さて、如何だったでしょうか?題名の『八朔の雪』という言葉をご存知ですか?この意味につきましては、後々、話の中で知ることになると思います。そして、今回はシリアスです。まだお互いに気持ちを伝えていない……と言うか、お互い気持ちに気付いているのかさえ怪しい?…という辺りを、太夫さんを取り込みながら描いていきたいと思っています☆
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