いつか、君と… 2
☆黄と…赤っぽいお話です☆
「殿…さま?」
ことはの髪に顔を埋めたまま動かない丈瑠に、ことはは何故か不安を覚えた。
『……桜を……君と…この……桜を…………』
その声は確かに頭の上から聞こえてきた。
いつもと変わらず低く穏やかで……でも、何かが違う、ことはにはそう思えた。
「殿さま…ですよね?」
『私は……ことは……君に…………』
「あ、貴方は…誰……?」
ことはが、か細い声でそう問いながらその声の主へと顔を向けようとしたその瞬間だった……。
いきなりの強い風が二人を包み、彼らの髪を天へと向かって舞い上げた。
ことはは「きゃっ…」と、小さく叫び舞い上がった髪を手で押さえると、瞳をギュッと閉じた。
『……逢いたかった…………』
その声は、もう頭の上からは聞こえなかった。
それだけでなく、ことはは、自身を優しく包み込んでくれていたはずの腕の温かさを感じることは出来なくなっていた。
そして……舞い上がった髪が肩へと戻ってくるとともに、ことはは固く閉じていた瞳を開くと、その瞳を更に大きくし息を飲んだ。
……桜?
大きく開いたことはの瞳に映ったのは、辺り一面をピンクに染める程の桜の花びらの舞う姿だった。
……確か、まだ蕾やったはずなのに……?
そう思いながら、その花びらへと手を伸ばすと、それはことはの手をすり抜けた。
「幻……覚?」
ことはには何が起きたか全くわからなかった。
まだ咲くはずのない桜の花びらが舞っているのかと思えば、それには実体がなく透けている……。
そして、傍にいたはずの丈瑠が……いない。
いなくなった、というより消えた……。
煙のように、一瞬にしてその場から……消え去ってしまった。
「殿さま?……殿…さま……」
ことはは未だ舞う実体のない桜の中に佇み、彼の名を呼ぶことしか出来なかった。
そんな彼女の手は小さく震えていた……。
☆えっと、次回からオリジナルのキャラが出てきます。全くの想像です……よろしくお願いします☆
☆sin様……いつもありがとうございます。今回、そして特に次回の長期連載がシリアスになる予定です(長期の間に一息つくかもですが)。お楽しみにして頂けると嬉しいです。インフルが流行り出したとか!!上の娘のうがい、手洗いを徹底し、下チビがかからないようにするのに気を張っています。お互い気をつけましょう☆
「殿…さま?」
ことはの髪に顔を埋めたまま動かない丈瑠に、ことはは何故か不安を覚えた。
『……桜を……君と…この……桜を…………』
その声は確かに頭の上から聞こえてきた。
いつもと変わらず低く穏やかで……でも、何かが違う、ことはにはそう思えた。
「殿さま…ですよね?」
『私は……ことは……君に…………』
「あ、貴方は…誰……?」
ことはが、か細い声でそう問いながらその声の主へと顔を向けようとしたその瞬間だった……。
いきなりの強い風が二人を包み、彼らの髪を天へと向かって舞い上げた。
ことはは「きゃっ…」と、小さく叫び舞い上がった髪を手で押さえると、瞳をギュッと閉じた。
『……逢いたかった…………』
その声は、もう頭の上からは聞こえなかった。
それだけでなく、ことはは、自身を優しく包み込んでくれていたはずの腕の温かさを感じることは出来なくなっていた。
そして……舞い上がった髪が肩へと戻ってくるとともに、ことはは固く閉じていた瞳を開くと、その瞳を更に大きくし息を飲んだ。
……桜?
大きく開いたことはの瞳に映ったのは、辺り一面をピンクに染める程の桜の花びらの舞う姿だった。
……確か、まだ蕾やったはずなのに……?
そう思いながら、その花びらへと手を伸ばすと、それはことはの手をすり抜けた。
「幻……覚?」
ことはには何が起きたか全くわからなかった。
まだ咲くはずのない桜の花びらが舞っているのかと思えば、それには実体がなく透けている……。
そして、傍にいたはずの丈瑠が……いない。
いなくなった、というより消えた……。
煙のように、一瞬にしてその場から……消え去ってしまった。
「殿さま?……殿…さま……」
ことはは未だ舞う実体のない桜の中に佇み、彼の名を呼ぶことしか出来なかった。
そんな彼女の手は小さく震えていた……。
☆えっと、次回からオリジナルのキャラが出てきます。全くの想像です……よろしくお願いします☆
☆sin様……いつもありがとうございます。今回、そして特に次回の長期連載がシリアスになる予定です(長期の間に一息つくかもですが)。お楽しみにして頂けると嬉しいです。インフルが流行り出したとか!!上の娘のうがい、手洗いを徹底し、下チビがかからないようにするのに気を張っています。お互い気をつけましょう☆
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