いつか、君と… 1
☆新たに短編連載を始めさせて頂きたいと思います。黄(×赤)がメインのお話です……が、私の妄想が暴走してしまう恐れがありまして、原作からかけ離れたものが受け付けられない方(勝手な解釈が多々有り)はご覧にならない方が宜しいかと存じます。
そして、この短編は序章でして、その後の長編連載へと繋げていく予定になっています。
それでも宜しいという方は、是非、ご覧下さいませ☆
いつか……いつか、君と…この桜を……
……ことは…………
「はい。あれ?……殿さま?」
ことはは、自分を呼ぶ声の方へと振り返ったものの、そこには誰もいなかった。
「変やなぁ、確か…殿さまの声が……」
「どうした?」
「ひゃあ!!」
いないと思っていた主の声が頭の上から響いて、ことはは小さく叫び声をあげた。
「と、殿さま!!いつの間にうちの後ろに……」
「?……元々こっちにいたが?」
眉間に皺を寄せると、声の主は腰に手を当て、ことはの顔を覗き込んだ。
彼の少し長い前髪が、ことはの額に触れると、途端に彼女の頬は桜色に染まった。
「殿さま、顔……近すぎです」
「何を今更照れている?」
彼は、ことはの耳元でそう囁くと、首筋にそっと唇を寄せた。
ドウコクを倒し、一年が過ぎ……志葉邸に植えられている桜の蕾が綻び始めていた。
その桜が満開になるであろう頃に、ことはは志葉の主である丈瑠に嫁ぐことになっていた。
「や…駄目です、殿さま…こんなところで……」
少し前まで桜色だった頬は、既に紅く、顔全体に広がっていた。
丈瑠はそんなことはの反応が面白く、わざと必要以上にくっつく事が多くなっていた。
……こんな幸せが、俺に訪れるとはな。
丈瑠は、紅い顔をして戸惑っていることはを、優しく包み込むと、彼女の柔らかな茶色の髪に自身の顔を埋め、目を閉じた。
☆甘々の二人から始めさせて頂きました。今回の話では、何故殿さまが影武者となったのかを、私の解釈で書いていく予定です。
度々申し上げますが、勝手に妄想した解釈ですので、受け付けられない方もいらっしゃるかと思います。辛口、批判コメントはご容赦願いたいと思います☆