……その後 1
☆さっそく番外編に突入いたします。自分の中できちんと完結(番外編も含め)したいのと、描きたいものが溢れ出てくるもので。……ってことで、今回は殿さまとことはちゃんの番外編となります。甘い感じになっておりますので、赤×黄が苦手な方はご遠慮ください☆
……温かい。
あれ?うち……何を持ってるんやろ?
『……とは……ことは……』
……誰かがうちのこと呼んでる。
まだ、この温もりを離したくないんやけどなぁ……。
「ことは!!」
――――!!
「と、殿さま!?」
ことはは慌てて起き上がると、自身の手にしているものを見て、思考が止まった。
「……そろそろ手を離していいか?体を動かせなくて困るのだが」
そう言う丈瑠の表情は、決して困った風ではなく、微笑んでいるようだった。
「きゃーーー!!す、す、す、すみませんでした。う、うち、何で殿さまの手、握って寝てたんやったっけ?」
くりくりの目をさらに大きくし、ことはは顔を真っ赤にして慌てて手を離した。
「ふっ……またお前に救われたな」
「……え?」
「ありがとう、ことは」
丈瑠は起き上がると、顔を赤くしたまま恐縮していることはをそっと抱きしめた。
「殿さま……、うち、みんなに言ってませんから。あの時の言葉は殿さまからみんなに伝えた方がええと思います…絶対」
『お前達と一緒に戦えて良かった。お前達で……良かった』
「今更……」
「今更やないです!!今やから……これからドウコクと戦わなあかん今やから必要な言葉やと思います」
胸元から聞こえる必死なことはの声がとても愛おしく、丈瑠は抱きしめている腕に力を入れた。
「そうだな、今更……じゃないよな。……ことは、お前に向けたあの言葉、あれも…なかったことにするつもりはない。本心だ」
『お前を好きになれて……幸せだった……』
ことははその言葉を思い出すと、丈瑠の胸元でさらに顔を赤くしてうろたえた。
「あ、あの…えっと、それは、あの、うち…その…」
ことはの気持ちも同じであったが、それを今、丈瑠に告げていいものなのか、ことはは戸惑っていた。
「今は…答えなくていい。全てが終わったら、聞かせてくれ……お前の気持ちを」
丈瑠の胸に抱かれていることはには、丈瑠の顔は見えない。
でも、心臓の鼓動がさっきより早くなったのを感じていた。
それは、自分の心臓の鼓動かもしれない……けれど、ことはの中でどこか確信があった。
……きっと殿さま、照れてはる。
そう思うと、心がくすぐったくなった。
『全てが終わったら』
ことはは嬉しかった。
自分を痛めつける殿さまはもういない。
全てが終わっても、自分の元にこの人はいてくれる…ということ。
「うち……全てが終わっても、言えへんかもしれませんよ」
これはちょっとした意地悪。
うちらを泣かせた……罰。
「構わない。何があっても俺の気持ちは変わらない。今までも…これからも……」
……俺がこの世に留まったのは、お前への気持ちだけだ。
全てが終わったら、俺は…気持ちのままに、お前を求めるだろう。
こんな俺を留めたのはお前なのだから……覚悟してろよ。
にやり…と口の端を上げて笑う丈瑠のことなど知らず、ことはは幸せな思いを抱いて、丈瑠の胸に抱かれているのであった。
☆……いかがだったでしょうか?甘い感じに仕上がっているでしょうか?短編って難しいですねぇ。上手く二人の想いを伝えられていたらいいなって思います☆
……温かい。
あれ?うち……何を持ってるんやろ?
『……とは……ことは……』
……誰かがうちのこと呼んでる。
まだ、この温もりを離したくないんやけどなぁ……。
「ことは!!」
――――!!
「と、殿さま!?」
ことはは慌てて起き上がると、自身の手にしているものを見て、思考が止まった。
「……そろそろ手を離していいか?体を動かせなくて困るのだが」
そう言う丈瑠の表情は、決して困った風ではなく、微笑んでいるようだった。
「きゃーーー!!す、す、す、すみませんでした。う、うち、何で殿さまの手、握って寝てたんやったっけ?」
くりくりの目をさらに大きくし、ことはは顔を真っ赤にして慌てて手を離した。
「ふっ……またお前に救われたな」
「……え?」
「ありがとう、ことは」
丈瑠は起き上がると、顔を赤くしたまま恐縮していることはをそっと抱きしめた。
「殿さま……、うち、みんなに言ってませんから。あの時の言葉は殿さまからみんなに伝えた方がええと思います…絶対」
『お前達と一緒に戦えて良かった。お前達で……良かった』
「今更……」
「今更やないです!!今やから……これからドウコクと戦わなあかん今やから必要な言葉やと思います」
胸元から聞こえる必死なことはの声がとても愛おしく、丈瑠は抱きしめている腕に力を入れた。
「そうだな、今更……じゃないよな。……ことは、お前に向けたあの言葉、あれも…なかったことにするつもりはない。本心だ」
『お前を好きになれて……幸せだった……』
ことははその言葉を思い出すと、丈瑠の胸元でさらに顔を赤くしてうろたえた。
「あ、あの…えっと、それは、あの、うち…その…」
ことはの気持ちも同じであったが、それを今、丈瑠に告げていいものなのか、ことはは戸惑っていた。
「今は…答えなくていい。全てが終わったら、聞かせてくれ……お前の気持ちを」
丈瑠の胸に抱かれていることはには、丈瑠の顔は見えない。
でも、心臓の鼓動がさっきより早くなったのを感じていた。
それは、自分の心臓の鼓動かもしれない……けれど、ことはの中でどこか確信があった。
……きっと殿さま、照れてはる。
そう思うと、心がくすぐったくなった。
『全てが終わったら』
ことはは嬉しかった。
自分を痛めつける殿さまはもういない。
全てが終わっても、自分の元にこの人はいてくれる…ということ。
「うち……全てが終わっても、言えへんかもしれませんよ」
これはちょっとした意地悪。
うちらを泣かせた……罰。
「構わない。何があっても俺の気持ちは変わらない。今までも…これからも……」
……俺がこの世に留まったのは、お前への気持ちだけだ。
全てが終わったら、俺は…気持ちのままに、お前を求めるだろう。
こんな俺を留めたのはお前なのだから……覚悟してろよ。
にやり…と口の端を上げて笑う丈瑠のことなど知らず、ことはは幸せな思いを抱いて、丈瑠の胸に抱かれているのであった。
☆……いかがだったでしょうか?甘い感じに仕上がっているでしょうか?短編って難しいですねぇ。上手く二人の想いを伝えられていたらいいなって思います☆
スポンサーサイト